黒田清輝《虞美人草》

 黒田清輝が没した翌年(1925年、大正14年)、わが国洋画界に対する貢献を顕彰して、生涯に制作されたほとんどの作品を並べた遺作展並びに作品集が刊行されました。このたび新居浜市美術館に収蔵の運びとなった《虞美人草》は、その作品集にも図版が掲載され、所蔵者は藤島武二であったと記されています。その後、藤島以後も作品は個人所蔵となって秘蔵され、今回新居浜市に収蔵されてはじめて公開の運びとなった貴重な作品です。また、この作品で興味深いのは、その額でしょう。裏面には、岸田劉生はじめ当時の洋画家たちが「太田縁」と呼び、好んで採用した東京の太田額縁のシールが貼られています。