鹿子木孟郎《牛》

 黒田清輝とともに、第15代住友吉左衞門が支援を惜しまなかった画家が、京都の鹿子木孟郎でした。鹿子木は、京都の洋画界の指導者となった浅井忠のあとを継いで、京都高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)の講師となり、関西美術院長となりました。鹿子木は、たびたび渡欧していますが、作品を制作するだけではなく、住友吉左衞門に依頼されて、ローランスなどの作品も購入し、自らヨーロッパの名作を模写もしていました。今回新収蔵となったこの《牛》は、わが国でもっとも歴史ある公立館のひとつである神奈川県立近代美術館が所蔵する作品と同じ主題ですが、現在、鹿子木の作品入手は難しく、その意味でも貴重な機会を得ました。